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= 竹ノ山 の タケノコ 通信 =
〔第52号 2017年12月14日〕


今月の話題 「日本の茶道を学ぶ」

   第51号11月のチャレンジは「日本の茶道」についての問題でした。本学の課外活動にも茶部があり、茶会には多くの留学生が参加します。まずはチャレンジ問題を振り返ってみましょう。

【問】茶道に関して述べたもので、次の8つの中から間違っているものはいくつあるでしょうか。

①茶道の成り立ちは禅宗と深くかかわっていて、お茶の精神を表わした「和敬静寂」は、一休禅師のことばである。
②はじめて日本に茶の実を持ち帰ったのは鎌倉時代の禅僧栄西といわれているが、すでに平安時代、唐に渡った最澄が持ち帰っていて、比叡山麓に植えたのが最初である。
③日本の住宅建築の規格である四畳半は茶道から派生したもので、そのモデルは銀閣寺国宝東求堂にある茶室同仁斎である。
④薄茶の飲み方は、茶碗を左手のひらの上にのせ、感謝の想いをこめて軽くおしいただき、茶碗を二度ほど回して正面を避けてからお茶をいただく手順である。
⑤薄茶を飲む前に出すお菓子は、季節を表現した色取り鮮やかな生菓子でなければならない。
⑥道安囲の茶室は、亭主が客座に対して次の間でお点前をするという謙虚な心構えをあらわしたものである。
⑦茶事七式の中の「正午の茶事」では、懐石、菓子、薄茶、濃茶の順に進んでいく。
⑧茶器「棗」の始まりは、村田珠光の時代である。

   正解は①、⑤、⑦、3つあります。
   ①の「和敬清寂」とは、千利休が唱えた茶道の精神のことです。互いに和し、敬い合い、清らかで、いかなる時にも動じない心を説いています。茶室に入ってこころ静かに一服の茶をいただく。まさにその時の心の在り方がこの四字に込められています。
   ⑤の薄茶の席で出される菓子は、基本的に干菓子を使用します。和菓子は、鎌倉から室町時代にかけて形づくられたといわれますが、茶菓子の最初は木の実や果物、昆布などが使われていたようです。
   ⑦の正午の茶事は、まず亭主みずからが膳を運び、客をもてなす懐石(旬菜をつかった一汁三菜)、次にその趣向に合わせた菓子が出され、濃茶を一同で回し飲み、最後に薄茶でもって亭主と客が語り合います。ちなみに、懐(ふところ)の石と書く懐石は、厳しい修行にはげむ禅宗の僧が、飢えや寒さをしのぐために温めた石をふところに抱いたことに端を発することばです。
   正答である②の茶木の伝来は、805年に最澄が唐から持ち帰り、比叡山麓坂本に移植したのが最初です。現在も日本最古の茶園(滋賀県日吉茶園)として残っています。当時のお茶は、煮出して飲む団茶というものです。つまり遡ること平安時代、貴族や僧侶のあいだですでにお茶は愛飲されていましたが、遣唐使の廃止とともにいったん途絶えます。
   現在の抹茶を日本に伝えたのは、臨済宗の僧、栄西禅師です。1191年に宋より茶の実を持ち帰った栄西は、栄西を慕う明恵上人に茶の種をさしあげます。京都の栂尾高山寺に暮らす明恵は、境内で茶木を育て、その実はやがて宇治に伝播します。抹茶のブランド宇治茶は、こうして誕生します。お茶は飲んで楽しむだけでなく、病気に効く薬だと栄西は説いています。実際、鎌倉三代将軍源実朝が頭痛に悩まされたとき、栄西は良薬だといって茶を献上しています。
   今秋、京都国立博物館では国宝展が盛大に開催され、ミュージアムグッズとして、洋菓子店を日本ではじめて開いた村上開新堂が、抹茶のマドレーヌを限定販売しました。化粧箱には国宝「鳥獣人物戯画」が描かれ、その中に抹茶菓子。それを見て、「ふふっ」と笑えるか否かは、あなた次第。日本の抹茶は高山寺の茶園が発祥で、鳥獣人物戯画はその高山寺所蔵の国宝です。「粋だね」と察された方は、かなりの日本文化通です。

(日本語学科 蔵田 敏明)

今月のチャレンジ 「たぶんこっちの意味?」

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   Niftyニュース(2017年12月01日)に、読売新聞提供として次のような記事が掲載されていました。

「公営テニスコート、市職員が「無料で独占使用」 ― 大阪府高槻市内にある府のテニスコートを市職員が2008〜12年、無料で独占使用し続けたとして、市議らが利用料約2000万円を職員側に請求するよう府に求めた訴訟の控訴審判決が30日、大阪高裁であった。中本敏嗣裁判長は違法な独占使用があったとして請求を棄却した1審・大阪地裁判決を変更、116万円を請求するよう府に命じた。」〔以下省略します〕

   さて,(1)「市議らが利用料約2000万円を職員側に請求するよう府に求めた訴訟」で、「請求する」のはだれでしょう。それから、(2)「中本敏嗣裁判長は違法な独占使用があったとして請求を棄却した1審・大阪地裁判決を変更」で、「違法な独占使用があったとした」のは、中本裁判長でしょうか、1審判決でしょうか。
   文脈から判断すれば誤解の余地はないでしょうが、ことばとしては、それぞれ複数の解釈ができます。
   (1) については、①「市議らが〜請求する」とも、②「市議らが〜求めた」とも読めます。もちろん、「府が請求するよう、市議らが求めた」という訴訟だと思われるので、この文章の意図は②でしょう。では,【質問1】どうすればこのまぎらわしさをふせぐことができるでしょうか。
   (2) では、「違法な独占使用があったとした」の主語は、③「中本裁判長」、④「1審・大阪地裁判決」のどちらでしょうか。結局、「中本敏嗣裁判長」がしたこととして、⑤「独占使用があったとした」、⑥「請求を棄却した」、⑦「判決を変更した」のどれが正しいでしょうか。文脈から判断するに、③ ⑤「中本裁判長が独占使用があったとして」、⑦「1審判決を変更した」、したがって、「請求を棄却した」のは「1審・大阪地裁判決」と言っているようです。そうすると,【質問2】どうすればすっきりわかるようになるでしょうか。

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