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= 竹ノ山 の タケノコ 通信 =
〔第48号 2017年8月10日〕


今月の話題 「痛みを表すオノマトペ」

第47回、7月のチャレンジは、傷みを表す表現の違いについての問題でした。

頭痛で病院に行った留学生が、医師から傷みの種類を「ガンガン」「ズキズキ」「ズキンズキン」といったオノマトペで尋ねられ困ってしまったという例を紹介しました。そこで、私たちが普段これらの表現をどのように使い分けているのか考えてみようというものでした。
寄せられたご意見は実に様々です。

「ガンガン」…頭全体が強く痛い(50代女性)、いきなり傷みに襲われる感じ(50代男性)、石で叩かれたように痛い(20代女性)、割れそうに痛い(20代女性)、頭の血管がバックバックする痛み(20代男性)、立っていられないほどの頭の痛み(10代女性)

「ズキズキ」…こめかみあたりの部分的な痛み(50代女性)、痛みのリズムが2拍子(50代男性)、針で刺されたような痛み(20代女性)、傷の痛み(20代男性、10代女性)

「ズキンズキン」…痛みに間隔があってそれが繰り返されている(50代女性)、痛みのリズムが3拍子(50代男性)、使わない(20代女性、20代男性、10代女性)

この他、10代20代の方からは「ズキズキ」「ズキンズキン」は「ほとんど使わない」という意見もありました。

米製薬会社ファイザーの日本法人が行った調査(慢性的な痛みのある8183人を対象に行った調査)によると、「ガンガン」「ズキズキ」「ズキンズキン」はいずれも炎症による痛みに用いられていること、「ズキズキ」は神経系の痛みがあるときに使われていることなどがわかったそうです。群発頭痛のときは「ガンガン」が、片頭痛や緊張性頭痛には「ズキズキ」が最も用いられていることもわかったようです。近年、医学や言語の専門家が協力して、病気の種類と患者が表現する痛みのオノマトペとの関連性に注目した研究も行われているようです。

7月のチャレンジでもう一つお尋ねした地域独特の痛みの表現としては、「ずつない」ということばを教えてくださった方がいました。これは、長崎県対馬地方で「頭が痛い」ときに使われる表現だそうです。この「ずつない」を方言辞典で調べてみると、兵庫県では「胸や腹が苦しい」という意味で、奈良県では「体調や気分が悪い」という意味で使われるということがわかりました。同じ表現でも、地方によって意味が異なることは興味深いですね。

皆さんから寄せられたご意見からもわかるように、傷みの表現には個人差や世代差、そして、地域差があることもわかりました。また、若い世代には使われなくなっていく表現もあるようですね。高校生や大学生からは、「チョー痛い!」「マジで痛い」「マジやばい!」などを使って痛みを表現しているという回答もありました。痛みの特徴が分かることは、医師にとって病気の早期診断に役立つとも言われているようですから、「超」「マジ」「やばい」で終わらせず、具体的な「ことばにする」ということを心がけると良いのかもしれませんね。

佐藤亮一(2009)『都道府県別全国方言辞典』三省堂
『日本経済新聞』2013年12月8日、16面「伝えにくい痛み オノマトペで訴え 早期治療に生かす」

(日本語学科 近藤有美)

今月のチャレンジ

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第48回、8月のチャレンジは、格助詞についての問題です。

次の例文(1)〜(10)の下線部を見てください。すべて「を」がありますね。これらの「を」の意味の違いに注目して、(1)〜(10)の例文を2つのグループに分類してください。また、なぜそのように分類したのかを説明してください。

(1) 友人の誕生日を祝う。
(2) 図書館で本を借りる。
(3) 店の前を通る。
(4) 話題の映画を見る。
(5) ふたつめの角を曲がる。
(6) 東名を走る。
(7) 急に名前を呼ぶ。
(8) 太平洋を渡る。
(9) お弁当を買う。
(10)目的地を通り過ぎる。

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