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= 竹ノ山 の タケノコ 通信 =
〔第46号 2017年6月8日〕


今月の話題 「Teacher Talkと Foreigner Talkの共通点と相違点」

 第45回のチャレンジ問題は、教室で日本語学習者に話すときの教師の話し方と、町などで日本人が外国人に話すときの話し方を考えて、その共通点と相違点を考えなさい、という問題でした。

 日本語教育で考えてみると、Teacher Talkは教師が、授業中、学習者に話すときの話し方のことを言いますし、Foreigner Talkは、日本語の授業ではなく、町などで日本語の母語話者が日本語の非母語話者と話すときの話し方です。
私も昔アメリカに留学していた頃、スーパーで缶詰を見ていたら、お婆さんが近づいてきて、“Can I read something for you?”とゆっくりした口調で話しかけられたことがありますが、これもForeigner Talkと言っていいですね。

 教師がいつも日本語の母語話者とは限りませんが、話を簡単にするために、日本人の日本語の先生が授業で日本語学習者に話すときの話し方と、一般の日本人が町で外国の人と話すときの話し方を考えてみましょう。もちろん、相手の日本語のレベルにも依りますが、ここでは初級レベルとみなして、その人と話すときの話し方の共通点と相違点を考えてみましょう。

 まずは共通点ですが、どちらも相手がわかりやすい、聞きやすいような標準的な発音で、ゆっくり話すんじゃないでしょうか。また、相手の日本語力を察して、相手が知っていると思われるような易しい言葉を使って話すでしょうね。敬語はおそらくまだわからないでしょうから、「図書館です」「行きますか」などのです・ます体で話すことが多いでしょうね。この地域の方言「この椅子、つって」とか、慣用表現「彼は顔が広い」とか、縮約形「行かなきゃ」とか、若者ことば「むずい」なども初級レベルの人ではまだ身に付けていないと思われるので、使わないでしょうね。また、文全体も助詞や主語、目的語などを省略しないで、全文を言うかもしれません。もっと大きいカテゴリーの談話レベルを考えると、繰り返しを多用したり、「わかりますか」など頻繁に相手の理解を確認したりしているでしょうね。

 では、Teacher Talkと Foreigner Talkの相違点を考えてみましょう。町で外国の人と話す時、わかっていること、知っていることは普通聞きませんよね。相手が韓国の釜山から来たことを知っているのに、「どこから来ましたか」と普通は聞かないでしょう。しかし、それが授業の練習であれば、たとえ教師が相手の出身地を知っていても、きちんと文が言えることを確かめるために「どこから来ましたか」と聞くことは普通にあります。ペンを持って、「これは何ですか」とか、学生のスミスさんに向かって、「スミスさんは学生ですか」とか。このように知っていることでも相手が理解しているか、ちゃんと言えるか確かめるために、Teacher Talkでは質問することがよくあります。これは、Foreigner Talkでは普通しないことですね。このように知っているけれども相手ができるかどうかを確認するためにする質問を「提示質問(display question)」と言います。これは、日本語の授業ではよく見られますが、他の授業でもこういう質問を先生はしてはいませんか?また、本当に知らないことを聞く質問を「指示質問(referential question)」と言って、区別しています。

 日常のコミュニケーションで用いるのはどちらの質問でしょうか。もちろん…ですね!

(日本語学科 坂本 正)



今月のチャレンジ 

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第46回、6月のチャレンジ問題では、換喩について考えてみましょう。換喩(メトニミー)とは、あるものを隣接関係にある他のもので示すことです。たとえば、「コーラを5本も飲んだ」と言う場合、これは瓶を飲み込んだというわけではなく、5本の瓶に入っていたコーラを飲んだということです。また、お風呂を沸かすという場合も、風呂釜ではなく、お風呂に入っている水を沸かすわけです。このように、液体を飲んだり、沸かしたりする時に、液体と隣接関係にある瓶や容器に言及して、コーラやお風呂の水(湯)を示すことを我々は日常的に行っています。このような例を皆さんも考えてみてください。皆さんからの投稿、お待ちしています。

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