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= 竹ノ山 の タケノコ 通信 =
〔第33号 2016年4月14日〕



新しい学年のはじまりにあたって ◇日本語のチカラ 再確認

◎ 世界のグローバル化の中で
‐海外で日本への注目が高まっています(経済関係 外交 ポップカルチャーなど)
‐人の移動も盛んになっています(海外から日本へ:観光客 留学生 就労者 生活者など、日本から海外へ:観光 留学 仕事 移住など)
‐そして、日本人同士でも、世代、職業、地域などによる考え方の違いは広がっています(文化・生活習慣 価値観 関心・好みなど)。
⇒ 当然の結果として、‘違和感’や‘摩擦’が生じています

◎ 多文化共生
それを解決して‘共生’を実現するには、海外でも、国内でも、その場で接する目の前の「この人」との相互理解とコミュニケーションが必要です。
‘多文化共生’は、国と国との関係や、異文化理解といった抽象的なことではありません。‘個人と個人の’‘人としての’関わりなのです。外国人との間だけではありません。日本人同士でも考えなければならない問題なのです。
⇒ 主役はすべての人々です(日本人も外国人も)

◎ すべての基本は コミュニケーションの力
▽ 社会人として:ことばを正確に使うだけでなく、相手の気持ちや意図、希望を理解し、配慮をもって伝達し説得すること、つまり、‘対人ホスピタリティ’が、‘社会人’であるための最低限の条件です。
▽ 異文化接触の現場に立つ:生活、医療、就労、法制、教養・娯楽などの専門家、行政の担当者など、これからの日本を支えるために不可欠の領域です。相手を、国籍・言語を問わず一個の人間としてとらえ、自分自身の文化背景や価値観を客観的に反省し、自分のコミュニケーション能力を活用して対処することができなければなりません。
▽‘内なる国際化’を進める:日本人自身の意識の変革、つまり、日本の‘内なる国際化’が必要です。なかでも、小中高校、社会教育などの教員が重要な役割を担います。国際社会・日本社会の現状、コミュニケーションの大切さ、日本の文化・発想の特徴、日本語・外国語を使いこなす方法、異文化に対処する行動のしかたなどを、すべての日本人、特に、子どもたちに知ってもらわなければなりません。
▽ 暮らす:家族の間でのコミュニケーションこそ、大事に、慎重にしなければなりません。職場も家庭も‘教育’の場です。次の世代にいろいろなことを教え、社会で生きていくための手立てを身につけさせてあげる、だれにもその責任があります。特に、子どもを思いやり、力を伸ばしてあげることは、親にしかできません
⇒ まず、確かな日本語力を身につけましょう。その上に、英語など外国語の能力も。

◎‘日本語使い’が、多文化共生の主役になります。‘日本語使い’は、日本人・外国人が共生の能力を身につけるための支援をします。‘日本語使い’になりましょう。

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◇ 今月の話題  「 日本文化を世界に発信した偉人たち 」 ◇
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第32回、2月のチャレンジは、日本文化を世界に発信した人物についての問題でした。
「怒涛のごとく西洋化の波が押し寄せてきた明治時代。その渦中にあって日本の伝統美とその精神に着目し、国際的な視野に立って東洋の美を英文で欧米に紹介した人物は誰でしょうか」
正解は、明治時代に東洋の思想、日本文化を英語にて発表している岡倉天心、鈴木大拙です。岡倉天心には二人の方から解答をいただきました。
岡倉天心の『茶の本』は有名ですが、この作品は明治38年(1905)10月、天心がアメリカへ向かう船中で執筆した文化論です。茶の歴史、儀礼作法の解説にとどまらず、茶の湯の背景にある道教の哲理、日本における茶人が禅の修行者であることを説いています。茶室、調度品、そこに掛かる画や詩、花に観想する生、そして死、流麗な論述で東洋の美までも展開されています。原題は「The Book of Tea」で明治39年(1906)5月、ニューヨークで刊行されました。
天心は、文久3年(1863)横浜に生まれ、8歳で英語を学び、家庭の事情で神奈川長延寺に預けられ漢籍に親しんでいます。14歳で東京大学に編入しフェノロサに学んだ後、廃仏毀釈の世において、文部省の官僚としてフェノロサとともに京都・奈良の文化財調査に当たります。その際、日本の仏教美術に激震が走ります。奈良の文化財調査の際、祟(たた)りを怖れる法隆寺の僧の猛反対を押し切って、夢殿の扉を開けたのです。まるでミイラのように白布で覆い包まれていた秘仏の布を取り払い、そこに現われたのは、眩い輝きを放つ救世観音像でした。このように古美術の保護、美術の普及に努めました。この天心の努力のお蔭で現在私たちは素晴らしい仏像を見ることができるのです。東京美術学校(現・東京芸術大学)を創立し、アメリカボストン美術館の東洋部門を任され、東洋の美を世界に知らしめた功績は計り知れません。
天心は51歳の時、赤倉温泉で病に倒れました。『茶の本』は、天心最後の著述です。
鈴木大拙は、小学校の英語教師をしていましたが、それを辞めて東京帝国大学(現・東京大学)の哲学科に入り国際的に著名な仏教学者になった人物です。驚くべきことは、30歳で『大乗起信論』を英訳して出版、37歳で『大乗仏教概論』を英文で刊行しています。仏教思想の理解だけでも難解のうえ明治30年〜40年という時代背景を考えるととてつもない努力があったと想像できます。そして晩年は、清沢満之の作った大谷大学の教授となって世界各国で仏教哲学を講義しました。
ルーズ・ベネディクトは、アメリカ軍の要請により、日本を知るために戦時中に調査を展開。終戦後の1946年に発表した『菊と刀』は有名です。
エドワード・G・サイデンステッカーは、海軍日本語学校で日本語を学んだ後、第二次世界大戦に従軍、戦後本格的に日本語を学び、谷崎、川端、三島をはじめとする日本文学を英訳しました。古典にも精通し『源氏物語』の英語完訳も行っています。おもしろいのは『蜻蛉日記』の英訳にまで取り組んでいることです。日本文学を世界に紹介した功績だけでなく、川端康成がノーベル文学賞をできたのも彼の力が大きいといっていいでしょう。
三島由紀夫は、村上春樹が出るまでは世界で最も人気のある日本人作家といわれています。『潮騒』は海外でもベストセラーになり、多くの作品が舞台・映画化されました。
 ノーベル文学賞に取り沙汰される以前から、世界の注目を集めていた日本文学ですが、それらは現代のように西洋文化を鵜呑みに迎合してのことではなく、日本の風土、そこから育まれた精神を文学に昇華させていたものです。谷?潤一郎や川端、三島などの作家たちは、薄れゆく日本のアイデンティティを憂い、克明に描き対峙葛藤していたのです。
 日本文化、日本文学の素晴らしさを世界に!
(日本語学科 蔵田敏明)

今月のチャレンジ

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第33回、4月のチャレンジは、聞いてもわからないことばについてです。
 耳から聞いたのではわからないことばは案外たくさんあります。
 私が小学生のころ、「きちくすいらい」という遊びをよくやっていました。鬼ごっこの一種です。敵味方に分かれ、それぞれのチームに「かんちょう」を一人と、何人かずつの「きちく」と「すいらい」の役割を決めます。「すいらい」が敵の「かんちょう」をつかまえると勝ちですが、「すいらい」は「きちく」につかまる、「きちく」は「かんちょう」につかまるという、じゃんけんのような強い‐弱いの関係が決まっています。
 同じ遊びは、全国どこの子どもたちもやっていたはずで、それぞれの役割の名前も、地域によって違っていたのでしょう。私の父は、「すいらいかんちょ」という名前だったと言っていました。
 おわかりでしょうか。「きちく」は「駆逐」で駆逐艦、「すいらい」は「水雷」で潜水艦(か水雷艇)、「かんちょう」は「艦長」で戦艦のことです。潜水艦は駆逐艦の爆雷にかなわない、駆逐艦は戦艦の巨砲にかなわない、潜水艦は魚雷の奇襲で戦艦を沈めるという、軍国少年たちをホウフツとさせる遊びでした。ちなみに、父のころは、「かんちょう」は野球帽を普通にかぶる、「きちく」はつばを横にしてかぶる、「すいらい」はつばを後ろに回して潜望鏡をのぞくようにかぶるというきまりがあったそうです。昭和30年前後の子どもだった私たちも、まだそんな遊びをしていたわけです。
 中で、私たちが意味もわからずに使っていたのが「ばっかん」ということばです。「かんちょう」同士、「きちく」同士、「すいらい」同士がぶつかることで、「かんちょう」を守るために、味方の「すいらい」が敵の「すいらい」に体当たりしたりするわけです。「バッカーン」とぶつかるからだと思って叫んでいましたが、これは「爆艦」つまり自爆のことですね。
 聞いてもわからない、わからずに使っていることばはあちこちにあるものです。
 次のことばは、何のことでしょう。分野によって、とっくに知っているという方も多いでしょう。

1.カンソクロカで丁寧に作っています。
2.シュウバイヒンを処分する。
3.エッスイのおそれのある箇所を補強している。
4.現在ショテイに運転しています。
5.毎朝ウサンポしています。
6.道が狭くてリゴウできない。

★ あなたのお答えをお待ちしています。
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