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= 竹ノ山 の タケノコ 通信 =
〔第31号 2016年1月14日〕


今月の話題  「世界の日本語学習者」

 第30回、12月のチャレンジは、世界の日本語学習者についての問題でした。
 2009年と2012年の調査結果から、二つの質問について考えてもらいました。

 質問1:Aに入る国はどこでしょうか。

 質問2:2012年の調査では、これまで最も学習者が多かった韓国が3位になりました。韓国では、 なぜ日本語学習者が減ったのでしょうか。
<2012年調査><2009年調査>
1位中国韓国
2位中国
3位韓国
4位オーストラリアオーストラリア
5位台湾台湾

 まず、2012年調査で2位となったA国ですが、これはインドネシアです。インドネシアでは、現在87万人以上の人が日本語を学んでいるそうです。中等教育(主に高等学校)の学習者が最も多く、その数は全体の95%以上に上ります。インドネシアでは、2006年に中等教育のカリキュラムが改定され、すべての普通高校および宗教高校で第二外国語が必修となりました(※1)。第二外国語には、日本語、中国語、フランス語、ドイツ語、そして、アラビア語の5か国語があるのですが、日本語を採用する高校が多いそうです。これには、インドネシア教育文化省と国際交流基金が共同で制作した日本語の教科書があるため教えやすいという理由があるようです。

 質問1へのメール解答で一番多かったのは、正解のインドネシアでしたが、ベトナムという答えも多かったです。近年、日本国内では、ベトナム人留学生が増加し、出身国別日本語学習者数は中国に次いで第2位となっています。ベトナム国内での学習者数は約4万7千人で、世界第8位です。

 次に、韓国における日本語学習者の減少についてですが、メールで寄せられた解答には、「韓国政府と日本政府の仲が悪いため」、「韓国政府の方針が変化したため」、「韓国の経済力の高まりやグローバル化の進展により日本語を学ぶ必要がなくなったから」、「少子化のため」といったものがありました。今回もたくさんの解答、ありがとうございました。

 増加したインドネシア同様、韓国の学習者数減少にも学習段階別の学習者割合が影響しています。以下は、1998年〜2012年の間に国際交流基金が5回行った調査でわかった、韓国の学習段階別学習者数です。
初等教育中等教育高等教育学校教育以外
1998年731,414148,44468,244
2003年780,57383,51430,044
2006年769,03458,72783,196
2009年557871,20059,40132,856
2012年1,793694,03657,77886,580

 学習段階別学習者数を見ると、2012年の中等教育での学習者数の減少が目立ちます。これには、2009年の高等学校教育課程の改定が影響しているようです。韓国の高校では、2010年まで第二外国語が必修でした。しかし、2009年改訂教育課程により、2011年からは第二外国語が選択科目となりました。毎年11月に行われる大学修学能力試験(修能(スヌン))のことは、日本でもニュース(※2)になりますが、この試験でも第二外国語の領域は自由選択です。教科としても選択、試験科目としても選択ということであれば、必修科目の勉強に集中したいというのが生徒たちの本音でしょう。このような背景が、韓国での日本語学習者数減少の原因になっているようです。

 また、韓国では、1970年代から出生率が下がり、2000年以降の合計特殊出生率は1.5人を下回っています。今回寄せられた解答にあった「少子化のため」というのも原因の一つであると言えるでしょう。国際交流基金の報告書には、「人口比では58人に1人が日本語を学習している計算となり、世界1位」であることが記されています。なるほど!!! もう一度、前述の学習段階別学習者数を見直してみると、数字だけに注目していたときには見えてこなったものが見えてくるのではないでしょうか(学習者数全体に占める中等教育の学習者数の割合)。

【注】
※1:第二外国語または技術・家庭のいずれか1科目を選択履修することが義務付けられている。
※2:受験生に配慮して時差通勤が行われたり、パトカーや白バイによって受験生が受験会場に送られたりしている。

【参考】
国際交流基金(2013)『海外の日本語教育の現状 2012年度日本語教育機関調査より』くろしお出版

(日本語学科 近藤有美)


今月のチャレンジ

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 第31回、1月のチャレンジでは、日本語の文法を取り上げます。

 日本語学科の学生たちは「日本語は難しい」とよく言います。その「難しさ」の意味をちょっと考えてみましょう。どんな言語でも相手や時と場合によって言いたいことをどう表現するかは難しい問題です。日本語は相手との関係に応じて表現を選ぶのが難しい言語の一つでしょう。また、言いたいことをどのように組み立てて話を展開するかも難しいことがあります。このような難しさは「日本語を使う場合」の難しさです。もう一つの難しさは、「日本語を説明する場合」に感じる難しさです。「もったいない」「けなげだ」「しめやかに」など意味は分かっていても、いざ説明するとなると難しい単語や表現がたくさんあります。これが文法規則になると、規則があることすら意識していないので、それを説明するのは「難しい」と感じることになるのでしょう。

 そこで今回のチャレンジです。次の二つの文が不自然に感じられるのはなぜでしょうか。

 (1)机の上に本はあります。

 (2)本が机の上にあります。

 「は」と「が」の基本的な違いを、日本語を習い始めて一か月もたたない初級の日本語学習者に説明してみてください。

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