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= 竹ノ山 の タケノコ 通信 =
〔第26号 2015年8月13日〕


今月の話題  「 日本語の文末スタイル 」

第25回、7月のチャレンジは、日本語の文末を考えてみましょうというものでした。

具体的には、以下の(1)(2)(3)のメールから、留学生が日本語の文末スタイルをどのように捉えているか、考えてもらいました。

(1)留学生(まだ直接話したことはない、同じクラスの日本人学生へ):
「私は〇〇だ。覚えているかな。留学生の〇〇だよ。」

(2)日本人学生(返事として(1)の留学生へ):
「こんにちは。□□です。もちろん覚えていますよ。」

(3)留学生((1)の留学生が教師へ):
「先生、留学生の〇〇です。今日は頭が痛いので、欠席します。申し訳ありません。」

 今回、上記のチャレンジに解答を送ってくださった方がいらっしゃいます。文末スタイルについて、詳しくお答えくださっているのですが、ここでは、チャレンジ問題に直接関係する、冒頭部分のみ引用させていただきます。
この留学生は、目上の人には丁寧体で、それ以外の人は普通体で話すと思っているのでしょう。

実際には、初めて会った人や まだそれほど仲良くない人に対しては丁寧体で話すのが一般的ですし、会社など公の場でも(たとえ上司でなくても)丁寧に話すのではないでしょうか。
つまり丁寧体かどうかは、社会的な地位の関係だけでなく、相手との関係性や場面にもよると思います。

 お答えのとおりだと思います。ありがとうございました。以下に、日本語教育という面から、解説を加えていきます。

 外国人に日本語の文末スタイルを教えるとき、まずは丁寧体(「です・ます体」)を教えます。それには活用が簡単だということもありますが、誰に使っても失礼にならない形だからということもあります。その一方で、留学生たちは、母国で学校以外にアニメ等から日本語を学んでいるようです。また、日本へ来たら、大学内で日本人学生が普通体で会話をしているのを聞いています。

 おそらく、留学生たちは、学校で、先生には丁寧に書くということで、(3)のように、丁寧体で書くことを習ってきたと考えられます。(1)とは別の留学生は、(3)のように丁寧体でしか書いたことがないので、日本人学生にどう書いたらいいか分からないと言っていました。

 (1)の学生は、先生には丁寧体で、学生同士は普通体でと考えているようです。確かに年代も同じ、同じクラスの仲間です。でも、そうなら、日本人学生はなぜ(2)のように、丁寧体を使っているのでしょうか。無論、日本人でも個人差はあるでしょうが、殆ど話したことがない学生にだったら、(1)のような書き方はしないでしょう。

 文末スタイルの決定には、さまざまな要素が絡んできますが、メールを書く場合に限って考えてみると、大きな要素は、次の2つではないでしょうか。

(a)相手の年齢や社会的関係(例えば、教師と学生、上司と部下)
(b)親疎関係

(a)に関しては、留学生は,少なくとも教師と学生という関係は,きちんと把握できていると思います。(b)に関しては、今回(1)の留学生は、解答でご指摘くださったように,まだクラスで顔を合わせただけという関係を無視したようです。同じゼミということで親しみを込めたかったのだと思います。それでは、いつから普通体を使っていいのかと聞かれると困るのですが、何となく親しくなったなと感じてからでしょうし、人によっては、ずっと丁寧体が続くかもしれません。また、男女差もあるでしょう。ちなみに、上記の(1)の学生は女性、(2)の学生は男性です。

 さらに、(1)の書き方に、もう1つ違和感を覚える点は、「〇〇だ」という名詞に続く普通体です。これは、会話でも使いませんね。親しくなってから、(4)のように聞かれても、(5)のようには答えませんね。(6)のように「長崎である。」と答えると、書きことばになってしまって、ますます変です。(7)のように「長崎。」と答えるか、(8)のように、男性なら「長崎だよ。」、女性なら「長崎よ。」と終助詞をつけるのでしょう(この辺りの男女のことばの違いは、一般的な推察で、実際とは異なるかもしれません)。

(4)「出身はどこ?」
(5)「長崎だ。」
(6)「長崎である。」
(7)「長崎。」
(8)「長崎だよ/長崎よ。」

会話やメールにおける文末スタイルについては、日本語教育においてこれからも検討していかなければならない点がたくさんあると思います。メールやラインでのやり取りに留学生が参加してきたとき、多少違和感があってもあたたかく見守ると同時に、さりげなく教えてあげてください。

(日本語学科 田中真理)

今月のチャレンジ

★ このメルマガでは、毎号、日本語・日本文化、日本語力、国語教育、日本語教育などについての課題を出題します。解答を考えて送ってください。タイトルを「8月のチャレンジ」として、解答のあとに、お名前と所属を書き添えてください。
★ 送り先は、takenoko_re□@nufs.ac.jp(実際の送信時には□を省き、続けて入力してください)です。
★ 次号で、送っていただいた解答のうちおもしろいものと解説を掲載します。


第26回、8月のチャレンジは、外国語教育のための情報技術についてです。

みなさんは、コンピュータやインターネットなどの情報技術(Information Technology)を利用して外国語を学んだことはありますか。今回は、教育、特に言語学習で発展が目覚ましいコンピュータ利用の言語学習(Computer Assisted Language Learning)に関連した話題を取り上げます。

教育分野では、ITではなく、ICTという言葉が使われています。ICTという言葉はいつ、どのようにして生まれたのでしょうか、日本だけで使用されているのでしょうか。

ICTという言葉が公に出たのは、小泉純一郎首相の時代のu-Japan(ubiquitousユビキタス)構想においてです。u-Japan構想では、ICTを「何時でも何処でも意識せずに、情報通信技術を利用できること」と定義しています。もともと、ユビキタス(ubiquitous)とは「同時にどこにでも存在する」ことを意味する英語の形容詞です。しかし、日本語では「ユビキタスコンピューティング」の略として登場することが多く、その場合「いつでもどこでも、利用者が意識すること無く、コンピュータやネットワークなどを利用できる状態」をさすことになります。具体的には「自宅に来客があると、携帯電話がそれを知らせてくれる」「品物を持ったままコンビニを出ると、自動的に代金が引き落とされる」などの環境がこれに当たります。このような環境を実現した社会を、ユビキタス社会などと呼びます。

このユビキタスという言葉はイメージしにくいため、国立国語研究所の外来語委員会が言い換えの暫定案として「時空自在」という造語を提案しました。しかし、「タイムマシンを想起させる」などの理由から、正式な提案が見送られたという経緯があります。

私たちは、ネットワークや情報技術を日常で利用しながらも、その意味を分かっていないこともあります。以下の3つの問題を考えてみてください。

(1)ICTの「C」とは、何を略したものでしょうか。次の中から選んでください。
a コミュニケーション(Communication)
b コラボレーション(Collaboration)
c クリエーション(Creation)

(2)海外ではITとICTとどちらの言葉がよく使われているでしょうか。
a ITのほうがよく使われる
b ICTのほうがよく使われる
c ほぼ同じように使われる

(3)日本でICTを初めて紹介したのは、どの機関でしょうか。
a 総務省
b 文部科学省
c 科学技術庁

3つの問題について答えを選んで送ってください。次号ではICTとCALL(Computer Assisted Language Learning)について解説します。

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