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= 竹ノ山 の タケノコ 通信 =
〔第11号 2014年4月10日〕



今月の話題  「不思議な日本語?」

第10回、2月のチャレンジでは、「お兄ちゃんは女の子で、お姉ちゃんは男の子」という発話が成り立つ状況、並びに、この発話を不思議に思った人はその理由を書いてくださいというものでした。

回答者の中には、お兄ちゃんとお姉ちゃんの体が入れ替わったと答えてくれた人もいました。その人は、おそらく、「XはY」という表現をX=Yととらえたのだと思います。もし、「お兄ちゃんは大学生で、お姉ちゃんは高校生」なら、X=Yが成り立ちます。

では、「お兄ちゃんはたこやきで、お姉ちゃんはお好み焼き」ならどうでしょう。まさか、お兄ちゃんの正体がたこやきで、お姉ちゃんの正体がお好み焼きだとは思わないでしょう。多分、お兄ちゃんが食べたいのは、たこやきなのだと解釈するはずで、X=Yにはならないことがわかります。

今回の課題にある、「お兄ちゃんは女の子で、お姉ちゃんは男の子」が不思議ではないもう一つの理由は、日本語における親族の呼び方の特徴に関係しています。「お兄ちゃん」」「お姉ちゃん」というのは、話し手自身の兄、姉であるだけはなく、自分の上の息子、上の娘である可能性があるからです。一番年下の子供の視点で、家族を呼び合うのが日本では一般的です(夫のことを、お父さん、パパなどと呼ぶのと同じです)。もし、「お兄ちゃんは女の子で、お姉ちゃんは男の子」が、「お宅、お孫さんは女の子、それとも男の子?」という質問に対する答えだったらどうでしょう。お兄ちゃん(長男)のところ(の孫)は女の子で、お姉ちゃん(長女)のところ(の孫)は、男の子という意味だとわかりますね。

このように、XはYという表現を理解するには、少なくとも、X=Yという解釈以外に、Xに関して言えば、Yだという解釈ができるということ、日本語では親族の呼び方が特徴的であること、文脈がいかに大切かということがおわかりいただけたと思います。つまり、言語能力を身につけようと思うと、単語の意味や文法の理解以上に必要なものがいろいろあることが見えてきたのではないでしょうか。

(日本語学科 高士京子)

今月のチャレンジ

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第11回、4月のチャレンジは、世界に広がる日本語を見てみましょう。

4月は新入学・新学期の季節です。名古屋外国語大学にも新しい「タケノコ」達が入学してきました。新しい世界に足を踏み入れ,期待と不安が入り交じっていると思いますが,タケノコ達もすぐ馴染んで,大きく成長して欲しいと願っています。

さて,今月のチャレンジでは,名古屋外国語大学の新しい「タケノコ」達と同じように,新しい世界,広い世界に飛びこんでいった「日本語」について考えてみましょう。
実は,皆さんにもおなじみの「Google」のサービスを使って考えることが出来るのです。

●早速,Google Ngram Viewer (https://books.google.com/ngrams)を見て下さい。これは,Googleが電子データとして取り込んだ世界中の書籍全体の単語のうち,ある単語が年代別にどれくらい出現したかを表示してくれるサービスです。

上のほうに検索窓があり,「Albert Einstein, Sherlock Holmes, Frankenstein」と入力されています。その下に,1800,2000と入力された窓があり,その右には「English」と表示されています。つまり,この図は西暦1800年から2000年の英語の書籍に “Albert Einstein, Sherlock Holmes, Frankenstein” という3つの表現が出現した率が表されているのです。

では,井上(2013)で紹介されている「tsunami」という単語を検索してみましょう。手順は以下の通りです。

1.上のほうの検索窓に「tsunami」と入力します。
2.「Search lots of books」と書かれた青いボタンを押します。

結果が表示されましたか?その結果からは次のようなことが分かるでしょう。

・検索語:tsunami
・検索した年代:1800年〜2000年
・検索した言語:English
・グラフと社会状況の説明:
「1940年代,終戦あたりから出現が増え始め,1960年頃に小さい山があり,その後1970年代後半に出現率が大きく増えています。その後一旦減りますが,また2000年の直前に増えていることが分かります。1960年頃の出現率の増加は,1960年に南米チリで大きな地震が起き,ハワイでも津波が観測されたことと関係があるのかもしれません。」


年代を変えると,西暦1500年から2008年まで検索することができます。また,他の言語として,フランス語,スペイン語,ドイツ語,イタリア語,中国語などを選ぶことができます(残念ながら,日本語はまだありません)。

●今回の課題は,日本から世界に飛び出して行った「ニホンゴ」を検索し,どうしてそのようなグラフになったのか,社会状況等と合わせて考え,上の太字部分のように説明してみてください。

試しに, “sakura”, “nihongo”などという単語はどうでしょうか?日本の春を象徴する「桜」,それから,私たちの学科で勉強できる「日本語」。それぞれ「サクラ」「ニホンゴ」として海外で普及しているのでしょうか?検索してみてください。さらに,自分が気になる単語を一つ考えて,検索してみて下さい。海外に出て行った「日本語」にはどんなものがあるでしょうか?日本古来の伝統文化に関する語でしょうか。それともポップ・カルチャー,アニメやマンガに関する語でしょうか。さあ,広い世界を探検してみて下さい!

・検索する語
(1)Sakura
(2)Nihongo
(3)(各自興味のある単語)

(1)(2)(3)のそれぞれについて,以下のような情報を入れて,答えを送って下さい。興味がある人は,年代や言語もいろいろに変えて検索してみましょう。

・検索語:(        )
・検索した年代:(   )年〜(   )年
・検索した言語:(     )語
・グラフと社会状況の説明:
(                            )


参考:
井上史雄(2013)「ツナミの200年」『日本語学』409号(明治書院)(井上史雄(2013)『ことばの散歩道』明治書院 に再録)

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