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= 竹ノ山 の タケノコ 通信 =
〔第4号 2013年8月8日〕



今月の話題  「気配りは見える!?」

第3回目、7月の課題は、電子メールの表現等について考えてみようというものでした。
7月の「チャレンジ」で示されていたのは、学生が大学の先生に宛てた授業の欠席を伝える電子メールの文面でした。
では、その内容をもう一度見てみましょう。

******************************
件名:Re:課題の提出について
To:professor7@nufs.ac.jp
From:student123@abc.ne.jp
(本文)
7月23日の授業ですが、用事で休ませてもらいます。
宿題等があれば教えて下さい。
申し訳ございませんm(__)m
******************************

さて、みなさんはこの電子メールのどんなところが気になりましたか。
みなさんからの指摘が多かったのは次の三つです。

【指摘1】発信者名がない

「あなたはだあれ?」このメールを読んだ先生は、まずこう思うでしょう。このメールには、メールを送信した人の名前が記されていません。携帯電話でのメールのやりとりでは、登録されている相手からメールを受け取った場合、相手の名前が自動的に表示されるので、本文に名前を記す必要はありません。しかし、パソコンでやりとりする電子メールでは、自動的に発信者名が表示されないことも多いのです。ですから、誰からのメールか受け取った人がすぐわかるように、発信者名を明記しておくことが大切です。中には、自分の名前をメールアドレスにしているのでアドレスから判断できるという人がいるかもしれませんが、そのような場合でもきちんと名乗るのが礼儀でしょう。

【指摘2】宛名がない

このメールは先生に宛てたものですから、本文の冒頭で「○○先生」と書くべきでしょう。発信者名同様、これも携帯電話のメールではあまり使われていないようです。電子メールでは、用件の伝達に主眼が置かれているため、手紙に見られるような時候の挨拶や結びの言葉など形式的な表現は省略されるのが一般的です。そのため、宛名も省略して良いと考える人がいるようです。しかし、宛名が書かれていないものと書かれているものを受け取るのとでは、違いがあるのではないでしょうか。宛名が書かれているメールには「他の誰かではないあなたに読んでほしいメール」という気持ちが込められているような気がします。配慮というのは、こんな風に伝わるものなのかもしれませんね。

【指摘3】絵文字の使用

「m(__)m」は頭を下げている様子を表している絵文字です。友達同士では、このような絵文字を利用することが、人間関係の保持に貢献しているようです。しかし、今回のメールの相手は先生です。頭を下げてお願いしたい気持ちを表したかったのかもしれませんが、このような絵文字の使用はふざけた印象を与えてしまう恐れがあります。仕事の場面でも同様でしょう。「m(__)m」という気持ちは大切ですので、その気持ちを言葉で表現するようにしましょう。

少数派ですが、こんな指摘(【指摘4】)もありました。

【指摘4】宿題は友達に確認すべき

 「「宿題等があれば教えて下さい」って、どうして友達に聞かないのか不思議です」という意見がありました。確かに、宿題の有無などは一緒に授業を取っている仲間に確認することができますよね。友達に確認し、必要なプリントなどがあれば、改めて先生に連絡するという方法を取った方が礼儀正しい印象を与えるでしょう。
 
次のメール文は、「チャレンジ」問題のメールの書き換え例として送られたものの中のベストアンサーです。
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○○先生

日本語学科○年の○×△子です。
火曜3限の「文章表現」の授業を受講しています。
7月23日に、留学に必要なビザを取得するため東京へ行くことになりました。そのため、授業を欠席しなければなりません。
大変申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いいたします。

○×△子
(学籍番号)
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随所に配慮が感じられるメール文だと思います。
?宛名:冒頭に「○○先生」と書かれている。
?発信者:名前に加え、自分の身分(日本語学科○年)が記されている。
?授業名:授業名(何曜日、何限開講)が記されていることで、先生との関わりがよくわかる。(=先生への配慮)
?理由:「チャレンジ」のメール文には、「用事で」としか書かれていないが、このメールには具体的な理由が書かれている。
?「やすませてもらいます」と「欠席しなければなりません」:「チャレンジ」のメール文で使われていた「(やすませ)てもらいます」は一方的な宣言や通告として伝わってしまうため、このような状況では適切とは言えない。このメールのように「〜なければなりません」を使用すると、やむを得ない事情であることを含意することができる。
?絵文字の削除:「m(__)m」の気持ちが「申し訳ありませんが、どうぞよろしくお願いいたします」という言葉で表現されている。
?最後の名前と学籍番号:たとえ冒頭で名乗っていたとしても、最後にもう一度名前を書いておくべきである。学籍番号が記されている点にも、メール受信者への配慮がうかがえる。

この他、意外と忘れられがちなのが、メールの「件名」への配慮です。「チャレンジ」問題のメールの件名は、「Re:課題の提出について」となっていました。これはおそらく、以前先生がこの学生に宛てた「課題の提出について」というメールに「返信」ボタンを押して利用したものだと考えられます。こういう時は必ず「件名の編集」をしましょう。今回の場合は、「授業の欠席について(名前、学籍番号)」が良いでしょう。メールタイトルは、開ける前に用件が確認できるようにつけるものです。ときどき、自分の名前を件名にする人がいますが、これでは用件がわかりません。毎日多くのメールを扱う人への配慮が足りないと思われます。
毎日多くのメールを扱う人への配慮として大切なことをもう一つ!「返信」する場合に、相手からの文面を残しておいたほうがいいかどうか迷う人もいるのではないでしょうか。たくさんのメールをやりとりする人にとって、自分が送ったメールの文面を新しい文面の下に残しておいてもらえると、「送信済みメール」を開いて内容を確認するという手間を省くことができます。これも、相手への配慮ですね。

電子メールのおかげで、私たちは遠く離れた方とも瞬時に情報をやりとりできるようになりました。この点はとてもありがたいことです。便利さとともに、手紙文では頻繁に用いられていた時候の挨拶や定型句などは省略され、どんどん簡素化されていっています。簡素化されているといっても、必要なものまで省略してしまっては、相手への配慮や礼儀が欠けてしまいます。第2回のコラム「ことばは気から」にもあったように、ことばを通して気持ちは伝わるものです。メールの文面からも配慮や気配りは伝わります。
最近では、就職活動でも企業とのやりとりで電子メールが頻繁に用いられているようです。電子メールで相手を不快にさせないよう、メールでの気配りも忘れないでくださいね。

(日本語学科 近藤有美)


今月のチャレンジ

★ このメルマガでは、毎号、日本語・日本文化、日本語力、国語教育、日本語教育などについての課題を出題します。解答を考えて送ってください。タイトルを「8月のチャレンジ」として、解答のあとに、お名前と所属を書き添えてください。
★ 送り先は、takenoko_re□@nufs.ac.jp(実際の送信時には□を省き、続けて入力してください)です。
★ 次号で、送っていただいた解答のうちおもしろいものと解説を掲載します。
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第4回、8月のチャレンジでは外国人の日本語を取り上げます。
日本語教師は、毎日のように日本語学習者のおかしな日本語や間違った日本語に出会います。そのような日本語がヒントになって日本語の仕組みに気づかされたり、自分の教え方を反省するきっかけをもらったりしています。そこが日本語教師という仕事の面白いところです。
それでは、今月のチャレンジです。タイの留学生タリムさんが会話の中で使った文を6つ取り出しました。

(1)日本語は漢字が多いだから、大変です。
(2)バイトがあるだから、今日は行けません。
(3)私はよく料理するけど、おいしくないです。
(4)プイさんはベトナム人けど、日本語が上手です。
(5)日本のドラマが好きだから、よくテレビを見ます。
(6)あの先生はきびしいけど、とても親切と思います。

課題1:間違っている文を正しく直してください。
課題2:「タリムさんの日本語」の特徴を見つけてください。

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★ あなたのお答えをお待ちしています。
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