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2011年度 日本語教育実習(ベトナム・ハノイ)を実施しました



  2012年2月20日から3月2日まで,ハノイ国家大学・外国語大学(以下:ULIS)における第2回目の日本語教育実習が行われ,実習生3名が参加しました。私は昨年に続き2度目の引率でしたので,前回と比較しながら振り返ってみたいと思います。

  まず,今回と昨年度の違いの第1点は,今年は東洋言語文化学部の授業が全て午前(昨年は午後)に行われ,我々の実習の開始も7時だったということです。これでは続かないと思って途中から2時限開始(7時50分)にしていただいたのですが,最後,学生は早朝開始にも慣れ,午後を自由に準備に使えるということで,このタイムスケジュールは,逆に好評でした。ただし,来年は,また午後になるそうです。

  第2点は,研修期間が3週からから2週間になったことです。その分授業の見学は大幅に減りましたが,実習回数を増やしていただき,充実した2週間となりました。学生は,総合日本語(文法や表現や本文)は1回の担当でしたが,会話・聴解・作文は,同じ課を2回,クラスを変えて担当させていただきました。最初,私は同じ課を2回もするのかと思いましたが,1回目の後,ご指導の先生方,他の実習生からフィードバックをもらい,2回目の授業は,同じ課とは思えないほど改善されました。学生自身も限られた時間でどのように改善したらよいのか真剣に考えたことと思います。総合日本語も同じ箇所を2度トライしたいという声も聞かれました。

  第3点は,違いではありませんが,今回,ULISの先生方と親しくお話しでき,大変嬉しく思っています。特に実習後のフィードバックは,ご指導の先生,ご見学くださった先生,実習生3名と私とで行ったのですが,お互いに率直に(遠慮せず,しかし傷つけることなく)意見交換できました。ベトナムの授業の習慣(板書の方法など)も教えていただき,とても勉強になりました。また,先生方には,食事にも何度か誘っていただき,ベトナム料理の説明を聞きながら,楽しい時間を過ごせました。最終日には,修了式の前に全体の反省会が行われ,来年度の研修についても話し合うことができました。

  最後になりましたが,学科長,副学科長をはじめ,本研修の企画,準備,指導に携わってくださった先生方,快く見学を許してくださったULISの先生方に,心よりお礼申し上げます。また,ホームスティを引き受けてくださった学生さん,そのご家族の皆様にも,感謝申し上げます。2012年度も,充実した実習ができますよう,準備を進めていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

(日本語学科教授・田中真理)

教壇実習で学んだこと

  この実習に参加したのは,今の自分にできることとできないことを知り,今後よりよい授業作りができるようになるためでした。2年間中国の大学に勤務していた時に色々なことを学びましたが,帰国後はそれを活かす場があまりなく,学んだことを形にできる機会を探していました。そのような時にこの実習を知り,参加を決めました。この報告書では,教壇実習で学んだことを中心に振り返りたいと思います。

  教壇実習で一番苦労したことは,授業内容を50分にまとめることでした。中国では90分の授業を担当していたため,まず思い浮かぶ授業内容は90分のものでした。例えば,補助作文の教壇実習では,構成の仕方,単語の復習,複文の練習,モデル文の添削,書く練習(作文のメモ),友達の作文の添削を取り入れたいと思いました。おそらく90分の授業であれば,授業時間は足りるでしょう。しかし,教壇実習の50分には収まりません。初めのうちは,最初に考えた授業内容を50分にまとめるにはどうしたらよいかと考えていました。もちろん90分の内容を50分に詰め込むことはできません。50分の授業では,50分の内容で組み立てなければなりません。それに気づき,50分の授業として考えられるようになった頃に教壇実習が終わってしまいました。決められた授業時間で,何を取り上げるのか,何を取り上げないのかをよく考えなければいけないということがわかりました。

  また,授業をする上で,学生の発言に対する反応にずっと不安がありました。教壇実習中でも反省点が多く残りました。しかし,生まれて初めて実習で学生の前に立った時よりも,学生の反応はよく見えていると思いました。以前に参加した実習では,準備したことを進めるのに必死で学生のことは見ているようで見ていませんでした。今回は,学生の表情や動きなどから「この点についてはもう一度言った方がよいだろう」,「ここはよく理解していそうだから,早めに次の活動に移ってもよさそうだ」などを考えられるようになっていました。総合日本語の教案上では,辞書形から「たら」への変換練習や可能表現の復習にある程度の時間をかけるつもりでしたが,実際の学生たちの反応を見て,早めに終わり,その代わりに「Vたら」の後ろに使える形と使えない形の説明の時間を長めに取りました。それがよかったかはわかりませんが,教案通りに授業を進めることに必死にならず,学生の反応によって予定を修正できるようになってきたと思います。反省点や課題が多くある中で,自分の成長を感じられたのも,よい勉強になりました。

  さらに,一緒に実習に参加した学部生2人からもよい刺激を受けました。授業見学後の反省会での彼女たちのコメントや教壇実習が新鮮で,柔軟な発想の大切さを感じました。例えば,教壇実習では教材作りを丁寧にしている姿が印象的でした。私は時間短縮のための文字カードや例文を書いたものくらいしか用意していませんでしたが,2人は「どうしたら学生たちが興味を持って取り組めるか」を一生懸命考えながら,絵やプリントを作っていました。その姿から,授業時間や準備時間のことばかり考えていた自分に気が付きました。授業は学生のためのものであること,学生にとってわかりやすい授業を心がけることを改めて学びました。それだけでなく,彼女たちからの質問に答えることもとても勉強になりました。指示の出し方や課題の提示順,雰囲気づくりなど,今までの授業で勉強したことや教育実習での経験,中国での経験を元にアドバイスすることで,自分の中で大まかにしか理解していなかったことを整理することができたり,今でもまだわからないことに気が付いたりと学ぶことが多かったです。院生は研究や仕事などで忙しい人が多いと思いますが,授業見学や教壇実習だけでなく,現地の先生方や学部生との交流の中からも得られるものがとても多いので,実習に参加するのは院生にとってもよい経験になると思います。

  このような実習の機会を頂き,ハノイ国家大学の先生方や学生たち,名古屋外国語大学の先生方,一緒に参加した実習生にとても感謝しています。今後はこの2週間での経験を,学生たちのための授業作りに役立てていきたいと思います。

(大学院博士前期課程2年・伊藤舞知子)

ベトナムの学生や家族との交流

  私が海外での教育実習に参加するのは今回が2回目だったが,私にとって,ベトナムという未知の国へ渡って実習をするにあたり,特に生活面に対する不安が大きかった。しかし,ハノイに到着し,ホームステイ先でホストファミリーと対面し,一緒に生活し始めて,すぐにその不安は吹き飛び,今回の大きな目的である「実習」に集中できるようになった。私がお世話になった家庭は6人家族で,みな私をとても可愛がってくれ,いつも積極的にコミュニケーションをとろうとしてくれた。お互い日常で使う言葉は違っても,英語や簡単なベトナム語,身振り手振りを使って意思伝達を行うことができ,互いに言いたいことが伝わったときの喜びは大きかった。

  私は1週目終わりの週末に熱を出した。ホストの学生の祖母がお粥を作って私の部屋まで持ってきてくれたり,家族全員が私にねぎらいの言葉をかけたり気を遣ってくれたりして,日本で下宿暮らしをしている私にとって,家族の温かさはかなり身にしみるものだった。今回の件でホストには大変な迷惑と心配をかけることになってしまったが,こういった事態になったことで,教壇実習だけでは得られないものを得ることができたと感じている。

  ハノイ国家大学外国語大学での実習全体を振り返ると,どの学生もとても純粋で素直だという印象だった。また,私がどのような投げかけをしても,わからなくてそれを無視するのではなく,必死に考えようとし,反応してくれることが嬉しかった。また,自分が行ったどの授業に関しても,授業開始のあいさつの時点で,私の出す雰囲気が暗かったのではないかと思う。授業中も,用意した教案に沿って授業を進めるのに精いっぱいで,意識して笑顔で学生に接することができなかった。担当した授業のクラスに私のホストの学生がいて,授業後に家で「もっと笑ってください」と言われてしまった。学生の反応にも,もっと注意を向ける余裕ももちたかった。反応があっても,それに対してどう自分が言葉を返せばよいか迷うこともあり,結果,「はい,いいですね」だけで終わらせてしまうことも何度かあった。学生である自分の体験から,自分の発言に対し教師から何かコメントがあると嬉しいものである。難しいことだが,学生の言ったことに興味を示していることを伝えられるような,かつ,授業内容から脱線しない程度のコメントをしたい。

  反省だらけの実習で,日本語学習者に対して教授活動を行うには,まだまだ未熟すぎの自分であることを実感した。しかし,実習期間中は,多くの先生方にご指導をいただいたことで,さまざまなご意見やお考えの違いに触れ,自身の考えも深まった。また,他の実習生にもたくさんのアドバイスやアイディアをもらい,授業を改善していくことができた。私たちの実習に関わってくださったすべての方々にお礼を申し上げます。ありがとうございました。

(日本語学科4年・倉持りえ)

ベトナムでの生活を振り返って

  2週間のベトナムでの実習は,とても短く感じられた。教壇実習についての詳しい報告は報告書にあるので,ここではホストの家族との生活と,授業以外の大学での出来事について振り返りたいと思う。
 
【ホームステイ】

  私のホストファミリーは4人家族だったが,弟が軍事訓練に行っていたので3人だった。朝7時から授業だったので,6時半には家をでた。バイクの後ろに乗り,朝ごはんを食べに行く。時間が無い時は,パンやおこわを買って,学校で食べた。

 実習や見学は午前中には終わり,午後からは授業準備をした。4時半にホストの学生と待ち合わせ,一緒に帰宅する。19時頃に,夕飯を食べる。実習後半には,料理を手伝うこともあった。生春巻きの作り方を教えてもらったり,豚足を切らせてもらったり,初めてのことばかりだった。

  学校の帰りに,ホストの学生の親戚が営んでいる揚げ物屋で,コーンの揚げ物と,材料は分からないが,もちもちした美味しいものを食べさせてもらった。週末には,家族で朝ごはんを食べに行き,親戚や近所の人ともふれあうことができた。
 私のホストの学生はとても真面目で,物静かな性格だった。最初はお互いに緊張していたが,だんだんと仲良くなれた。2週間のホームステイは,新鮮なことばかりで,とても楽しかった。

【大学】

  大学では,ほとんどの時間を日本語講師室で過ごした。授業の準備や反省会もここで行った。お昼になると,みんなでお昼ご飯を食べた。殆どは学食の二階だったが,日本語の先生に案内していただき,それ以外の場所で食事することもあった。先生方には,日本にはない果物を食べさせていただいたり,旧市街を案内していただいたり,とてもお世話になった。
 
  ベトナムでの生活は,毎日新しい発見があり,とても充実していた。今後もこの実習が継続され,ひとりでも多くの人が参加できることを願っている。

(日本語学科4年・長谷侑茄)