グローバルナビゲーションを飛ばして本文へ

グローバルナビゲーションを飛ばしてローカルナビへ

グローバルナビゲーションを飛ばしてフッターナビへ



2009年度 日本語教育実習(日本語教育センター,I.C.NAGOYA)を実施しました。

  日本語学科では日本語教育実習を3か所で実施しています。国外1か所(韓国釜山),国内2か所(本学日本語教育センター,名古屋市内の日本語学校I.C.NAGOYA)です。そのうち,国内での実習を終えた学生2名に実習を終えてのレポートを執筆してもらいました。実習の様子をお伝えします。

日本語センター教育実習に参加して

  名古屋外国語大学日本語教育センターでの教育実習は1年間、時間をかけて日本語を教えるということについて学べる実習です。私はこの実習を通し、授業を作る上でのポイントや、授業を行う上でのポイントを学ぶことができました。

  この実習は1期と2期の通年履修で、実際に授業をするのは2期です。

  1期ではビデオを分析したり、模擬実習を行ったりして授業を作るにはどんなことを考えなければいけないかなどを学びました。また、授業一つ一つの活動を分析し、学生にとってどのような授業がためになるかなどについて話し合いました。なぜこのタイミングでリピートさせたかや、そもそもリピートをさせる意味など授業の細かな部分まで観察し話し合うことでそれぞれの活動について理解を深めることができました。

  2期は1期で学んだことを生かして授業の準備をし,実習をします。実習では,名古屋外国語大学と交換留学協定を締結しているアメリカ、イギリス、フランス、オーストラリアなど61の交流協定大学からの留学生を対象にした授業を行います。90分授業のうちの45分間を任されました。

  まず,週に1回程度、担当の先生に自分で作った教案を見てもらい、何週間という時間をかけて準備をしました。45分の授業のために何週間もの時間をかけるというのは多いように思うかもしれませんが、私の場合少しずつ直していく、というより毎回かなり直さなければいけなかったので時間が足りないくらいでした。第1稿では1期に学んだことを生かすことができず、先生に「これでは難しすぎる。もっとわかりやすくシンプルに」と言われ、教案の大部分をなおす必要がありました。かなり大変な作業でしたが、先生にアドバイスをいただきながら自分の作った教案を軌道修正していくうちに何が足りなかったのかを身をもって学ぶことができました。教案を作る段階で1期に学んだことを生かせるのが一番いいかもしれません。しかし、何度も改良を重ね、苦労したからこそ、1期で学んだことの重要性や実習中に感じたことが自分の身になったと感じられたのだと思います。

  本番の授業では,友人相手に練習した甲斐あって何とかうまくいきました。学生からの予想外の質問や回答に驚かされることもありましたが、時間をかけ準備をし、やれることはやったという自信があったので、楽しく授業をすることができました。先生のように授業するにはまだまだ程遠いですが、自分には何が足りないのか、授業のポイントとは何かをこの実習を通して身をもって学ぶことができ、参加して本当によかったと思っています。

  日本語教師を目指している私にとって、日本語教師の大先輩でもある先生方に細かなところまで指導していただきながら授業を作るという経験はとても貴重でした。忙しい中、熱心に指導してくださった先生方には本当に感謝しています。この経験を生かし、わかりやすく学生が楽しめるような授業ができる日本語教師を目指して頑張ります。また、いつか私も先生方のように実習生に的確なアドバイスのできるように、日本語教師として大きく成長していきたいです。

(日本語学科4年・近藤由貴)

国内の日本語学校の教育実習を終えて

  私は2010年1月18日から29日までの2週間、名古屋駅前にあるI.C.NAGOYAで教育実習をさせていただきました。

  日本語学校の実習では、まず教壇実習させていただく授業の教案を事前に指導の先生に提出します。分単位で授業の道筋をたて、授業で実際にホワイトボードに書く例文や図、使用するペンのカラーまで忠実にノートに下書きしておきます。授業で使用する絵カードも自分で用意しますが、初級のクラスでは学生が理解するのに難しいと指導の先生に判断されれば考え直さなければなりませんでした。

  海外の教育機関と違って、国内の日本語学校ではさまざまな国籍の学生がひとつのクラスで日本語を勉強します。私が担当した初級クラスには中国、台湾、タイ、ベトナム、ミャンマー、インドから延べ18人の学生がいました。授業はすべて日本語でおこないます。学習内容を説明するために英語を使うというようなことはしません。英語が分からない学生もいるので、不平等が起こらないようにするためです。しかし、初級クラスということで学生が理解できる日本語の語彙や表現方法はかなり限られます。教案作成の際には授業で説明に使用する語彙や表現が、学生の既習項目かどうかも念頭におかなければなりませんでした。自分自身の語彙コントロールが難しく、学生から質問された際に「状況を…」「判断して…」「経験があるとき…」などとっさに未習の語彙を使って説明してしまったことは実習全体をとおして大きな反省点になりました。

  また、新出漢字の導入にも苦労しました。中国、台湾といった漢字圏の学生とタイ、ベトナムといった非漢字圏の学生ではやはり習熟度がかなり違います。書き取り練習をさせるにも書くスピードが違いますから、時間配分にずいぶん頭を悩ませました。指導の際には学生の書き順を見直したり、字形をチェックしたりと細かなケアが大事だということを再認識しました。

  先ほども述べたとおり学生の国籍がひとつに統一されていない環境というのは、授業をコントロールするうえで難しい面が多くあります。しかし、うれしい面もありました。休み時間に中国人の学生とベトナムの学生、ミャンマーの学生とタイの学生など母語が違うもの同士が覚えた日本語を介して楽しそうに話をしているのを見たときです。日本語が母語の違う者同士をつなげている、そんなふうに私は感じました。

  また彼らは日本に住んでいるので、必然的に教室外でも日本語に接する機会が多くなります。教科書の内容以外に、日常生活で疑問に感じたことなどの質問もありました。「全然おいしい、フツーに痛い、この日本語、ダメ?」と聞かれたこともありました。こうした質問をされると、日本人の日本語がいかに乱れているかということ再認識します。初級の学生はスポンジのようにいろいろな情報を吸収します。プラスの情報ならいいのですが、間違った日本語を日常生活で覚えている場合、修正しなくてはなりません。「日本人が話してた日本語、ダメ?」と言われた時は、本当に困りました。

  今回は2週間という非常に短い期間でしたが、非常に多くのことを得ることが出来ました。5月からタイで日本語教育に従事します。今回の実習で学んだことを実践する機会として頑張りたいと思います。

(日本語学科4年・嶋津慎哉)